「これからの日本に大切なことは何か。それは、人間が共に考えながら、助け合いながら築き上げ、守り抜く。ぬくもりのある人生の旅ではありますまいか。」
昭和５０年４月に、当時の株式会社朝日旅行会の創業者であった故岩木一二三氏の提唱により、当会は創立されました。
当時は、高度経済成長期の訪れとともに旅行ブームが到来し、多くの宿泊施設が大型化し、旅行業界の目覚ましい発展と共に近代化が進んだ時代でした。
そのような中で、旅というものは小さな宿に心の故郷を求め、安らぎを求めるものであり、宿は人としての情けや親切さが問われるのであると、岩木氏は言葉を遺されました。
小さな山の温泉宿３３軒が集まって結成された当会は、令和７年に創立５０年を迎えます。
これはひとえに、岩木先生の教えのもと、人はなぜ旅に出るのか、いろいろな思いを胸に旅に出る人々の心根に思いをはせ、旅人を迎える宿と人がどうあるべきか、宿を取り巻く自然環境、温泉環境がどうあるべきかを問い続けたことが、５０年という大きな節目を迎えられた理由であると確信しております。
「創設者 岩木一二三語録」は、数々の研修会において、岩木氏が山の小さな一軒宿が生き残っていくためにどうすればいいかを説いた、心構えであります。 日本秘湯を守る会の宿が大事にしている想いを、ぜひ手に取っていただき、秘湯の歴史に思いを馳せながら、宿巡りをしていただければ本望でございます。